2012.04.02 競業避止
最近,お客様より連続で,
「競業避止」に関するご相談がありました。
競業とは,大雑把にいえば
従業員さんの「同業他社への就職」や
「同業種の会社設立」です。
これを禁止したいのですが,できますか?
と,いうご相談です。
もし在職中であれば,従業員さんには,
雇用契約上の誠実義務がありますので,
就業規則や誓約書などの特約と合わせて,
ある程度の競業禁止は可能でしょう。
(程度問題はありますが…)
問題は退職後です。
結論から言ってしまいますと,
退職後の競業禁止は難しいです。
なんせ,労働契約が終わっていれば,
原則としては,会社に強制力はありません。
憲法で「職業選択の自由」が保障されてますし。
とは言うものの,退職後の競業行為に対して,
違法性が認められたケースはあります。
ハードルは高いですけど・・・
退職後の競業禁止が認められるための,
おおまかなポイントは以下のとおりです。
・退職者の地位 (例:営業部長)
・禁止期間 (例:1年間)
・禁止地域 (例:同一市区町村内)
・代替措置 (例:退職金の増額)
etc
上記を複合的に勘案してうんぬん・・・
少なくとも,一般従業員に対して,
なんとなく「退職後の競業禁止」をしても
まず認められません。
「競業避止」に関しては,
「引き抜き行為は禁止できないの?」
「営業秘密の流出を避けたい!」
「役員の場合は?」 etc
論点が多い分野で,私もまだまだ研究中です。
特に「引き抜き」に関しては,しっくりくる専門書が見当たらず苦戦してます。
いまは判例を確認しながら要点を探っている感じです。
この分野の関連法規は
憲法・民法・不正競争防止法・個人情報保護法 などなど・・・
実は,どれも社会保険労務士の試験科目にはない法律です。
人事労務の助言指導は社会保険労務士の仕事ですが,
お客様のニーズにお答えするのは,広範な知識が必要です。
日々の自己研鑽が欠かせませんね。
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