就業規則を社外持ち出し禁止にできるか?
小さい会社に特化した就業規則作成の専門家
社会保険労務士の伊藤礼央(れお)です!
ブログにお越し頂きありがとうございます。
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就業規則が社外へ持ち出された場合,
紛失や改ざんのリスクが高まります。
では,「就業規則は社外持ち出し禁止」というルールは,
設定可能なのでしょうか?
まずそもそも,就業規則は,
従業員さんに周知啓発しないといけません。
周知啓発の方法は,法律で決まっています。
※詳しくは,前回のブログ記事をご参照下さい
その法定の周知啓発の方法のなかに,
「社外への持ち出し(貸し出し)」はありません。
そのため,法定の周知啓発の方法により周知啓発し,
かつ,実質的な周知啓発もできているのであれば,
「就業規則は社外持ち出し禁止」というルールは設定可能です。
なお,個人的には,就業規則の社外への持ち出しは,
「原則禁止(会社の許可があれば可)」くらいにしておくのが
無難だとは思います。
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では,上記を踏まえ,
実務上のことを考えてみましょう。
例えば,従業員さんが,
「就業規則を読みたいので,
家に持って帰っていいですか?」
と,言ってきた場合を考えてみましょう。
従業員さんが就業規則を読みたいと言ってきた場合,
それは,大抵の場合,労働条件に疑問や不安を
感じているときだと思います。
しかも,家で読みたいとなると,
相当しっかり読み込みたい事情があるのでしょう。
そんなときの会社側の対応として,
「就業規則は社外持ち出し禁止なので
家に持って帰ってはダメ!」
と,杓子定規につっぱねてしまうのは,
おススメできません。
そんなことをすると,
「会社は何か隠しているのではないか?」と,
従業員さんがあらぬ誤解を抱く危険があります。
従業員さんから社外持ち出しの希望があった場合には,
「紛失されると困るので,社外持ち出しは禁止です。
就業時間以外の時間に,会社で読んで下さい。」
などといった具合に丁寧に対応しましょう。
ポイントは,「会社で読んで下さい」ということ。
それでも家で読みたいと,
従業員さんが食い下がってきた場合は,
その理由を聞いて,正当な理由であれば,
必要な箇所だけをコピーして貸し出すのも手です。
・・・・・・・・・・・・
会社として,就業規則の社外への持ち出しを
認めないといけない義務はありません。
しかし,就業規則を周知啓発する義務はあります。
就業規則を社外持ち出し禁止にしたことにより,
従業員さんから「会社は就業規則を見せてくれない」
「周知啓発がされていない」といったあらぬ誤解を受けないよう,
丁寧な対応を心がけましょう。
(2015年6月29日投稿)
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